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DJ Python

Interview with DJ Python

5/29/2025

先日XL Recordingsと契約し、ソロ作では2022年以来となる、最新EP『i was put on this earth』のリリースを発表したDJ Python。来日・アジアツアーを目前にショートインタビューを敢行。

ー XL Recordingsからのリリースおめでとう!
ソロ作としては、2022年以降、2023年のAna Roxanneとのコラボレーション ‘Natural Wonder Beauty Concept’、2024年のKelman Duran, Florentinoとのコラボ Sangre NuevaのEPを経てのリリースとなりますね。

ー 前回のAVYSS Magazineのインタビューの際にパンデミックの最中に経験した孤独感について語っていたと思いますが、NYCとロンドンの2拠点生活になり、世界中をツアーする生活になった今、パンデミックの最中とは違う孤独を強いられる時間があると思います。
あなたの音楽はクラブとベッドルーム、他人と楽しむ場所/時間と、一人で聴き入る音楽、その両方のバランスが鍵になっていると思います。美しく切ない、絞り出すようなメロディーはあなたの生活が反映されているのかと思うのですが、制作する時に意識することはありますか?

最近になって、本当に孤独を感じるようになった気がします。というのも、自分の周りの人たちと物理的にも距離があることが普通になってきているので、それは考えなければならない問題だと思っています。
このタイプの孤独を解決する術を習うのは、自分自身の責任だと思っています。誰かを受け入れること。自分は不思議と自立していて、助けを求めるのが苦手です。それに、恥ずかしさがあって、壁となっています。本当の親密さを感じたいし、心のつながりを持ちたいと思っていますが、それは自分にとって難しく、きっと多くの人にとっても難しいことだと思います。
音楽を作っているとき、自分はただ日記をつけているような感覚であるか、誰かが自分自身について話してくれたストーリーを思い出しながら作ることもあります。もし何か特定のことに集中して作曲しているとしたら、その曲がその本当の経験をしっかり反映しているかを確認しています。あなたが言ったように、それは美しく、もの悲しく、ほろ苦いものです。ほとんどの経験というものは感情の並列で、ほとんどの経験は、良いものか、中間か、悪いものか、でもそれらはあなたがどう捉えるかによるし、大体はその3つが全て含まれている。自分は数例を除いて、一つの感情のみを強くしようとするものにアートを感じないかもしれません。人間が経験することはわかりづらく、私たちに起こることは私たち次第で、どうそれに対処し、どう振り返り、どう現在を生きるかということだと思う。

ー また、スタジオでの制作時間が増えたと言っていましたが、スタジオへのアクセスが増えた中で、技術的に向上した点は何でしょうか?

様々な機材や、ラップトップのスピーカーではなく良いモニターを通して、ミックスしたり音楽を聴くことができる環境があるのは良いことです。スタジオにいることで、自分のベッドルームにいる時にはない意図性を生むと思います。
どこにいても、音楽を作ることが好きだということを常に忘れないようにしています。

ー 2018年の初来日から、前回は2023年のSR Tokyoで、2年ぶり4度目の来日になりますね。
いつも音楽を一緒に聴かせてくれている時に、エレクトロニカやダウンテンポの話をしてくれますが、あなたが好きな日本のアーティストを教えてくれますか?

東京が大好きです。最近の日本のプロデューサーでは、Mars89、Tenkyu、そしてOverrocketを気に入っています。Overrocketは確かにあまり評価されていないかもしれませんが、素晴らしいバンドです。

ー 初来日以来のパワーアップしたライブセットと、いつもフロアに’楽しさ’を与えてくれるDJセットを楽しみにしています!

SHOW INFO

PACIFIC MODE w/ DJ Python at WWW
PACIFIC MODE w/ DJ Python at WWW

NY-東京発のPACIFIC MODEがSustain Release Tokyo以来2年ぶりの来日となり、待望の新作(近日公開)を引っ提げた、DJ Pythonをフィーチャーし、ライブ公演とクラブナイトを開催!

Astrid Sonneに続くライブ公演は、3/11火曜日にDJ PythonのライブセットをWWWにて、そして3/15土曜日にクラブナイトをENTERにて開催する。
      
2017年にリリースされた「Dulce Compañia」からディープ・レゲトンというディープハウスのダイナミクスとラテンリズムを融合させた控えめながらも革新的でローが引き締まった、かつ幻想的でセクシーな雰囲気を持ち寄った音楽をプロデュースしてきたDJ Python。セカンドLPの「Mas Amable」ではビートにより磨きがかかり、次世代のアンビエント・ハウスレコードとして、2020年のベストアルバムに選ばれ、BoomkatとResident Advisorの両方で1位にランクインした。 その後、DominoのアーティストEla Minusとのコラボレーションや、Kelman DuranとFlorentinoとのスーパーグループ『Sangre Nueva』、Ana Roxanneとチームアップした『Natural Wonder Beauty Concept』と素晴らしいリリースを続け、昨年には象徴的なミックスシリーズBBC Radio 1の「Essential Mix」に初登場するなどその勢いは止まることを知らない。
そして今回の来日では、待望の新作(近日公開)を引っ提げた絶好のタイミングでのライブセットとDJセットを披露する。
共演には23年末のBoiler Roomでのプレイも話題となり、24年にレーベル”halo”を立ち上げ、ミニマルをテーマにしたレジデントパーティー”loopな”を始動させた既存のジャンルや枠組みを超えシームレスに活動を展開する2000年生まれのアーティスト”E.O.U”がライブセットで登場。
3組目のライブアクトとして、アンビエントミュージック / 環境音楽の世界を追求し続けているレジェンド尾島由郎 & 柴野さつき (Yoshio Ojima & Satsuki Shibano)の出演が決定!
「Visible Cloaks」とのコラボレーション、数々の名作のリイシューで知られ、『Kankyō Ongaku: Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980-1990』(2019年、Light In The Attic)にも過去の楽曲が収録されるなど、日本のアンビエントミュージックの重要な作品に携わってきた二人の貴重なライブをお楽しみに。

クラブとベッドルーム、まさに他人と共に楽しむ音楽や、一人で聴き入る音楽、その両方のバランスがPythonの鍵となっている。どんな幸せな瞬間にも少しの悲しみが含まれていて、孤独と向き合いながら、ダンスフロアで仲間と共有する時間まで…彼の音楽は車のステレオからヘッドフォン、クラブのサウンドシステムまでシームレスに鳴り続ける。

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